2022年2月8日

20220208視線分析プログラム完成日記

 以前から外注していた視線分析用のプログラムが完成しました.

このほど,納品されるということです.


この解析手法は,先行研究で使われていて,かなり使えそうなものです.

アルゴリズムはシンプルですが,構造がやや複雑で自分で実装するには手間がかかりすぎるものでした.

年度内に完成して本当に嬉しい.

これで,次期4年生や3年生で,視線計測を行う場合に分析の幅が広がります.

野村研究室で使っている手法と併せて,視線データを用いた映像作品への反応を取り扱った研究基盤を着実に固めていきます!


研究対象に新奇性が高いことが多いので,分析手法はできるだけ手堅く進める,というのを最近は意識して進めています.

劇場認知科学という分野を少しずつ固めていくために,知見を積み重ねていきます.



2022年1月20日

20220120論文修正,再投稿日記

1月中旬は,多くの大学で卒業論文の提出締め切りの時期です.

本学でも,一昨日が締め切りで,来週の初めに研究発表も行われます.

これまで順調に進めば,この大学に着任して初めての卒業生を送り出すことができます.

学生たちには,体調を気にしながら最後の詰めをしてもらいたいと思う日々です.


私がある雑誌に投稿している論文について,1ヶ月ほど前に査読結果が届きました.

現時点では,採択の可能性があるという状態です.

今回の原稿で最後の判断が行われるので慎重に修正をして,先ほど投稿できました.

この論文が世に出れば,色々と実践もしやすくなると思います.


研究のアイデアはいくつかあっても,論文になるまでにはかなり時間がかかります.

アイデアばかり溜まっている状況なので,一つずつ進めていくしかないと改めて思いました.

何かと忙しい時期ではありますが,現在投稿中のもう一つの論文を進めることを1月の目標にします!






2021年11月27日

20211127M1Max爆速日記

2021年11月に新たなApple Siliconを搭載したMacBook Proが発売されました。

これまで使っていたMacBookはすでに5年以上前のものだったので、これを機に新しいものを買いました。

共同研究として進めているもののうち、主に児童画の機械学習につかいます。

M1プロセッサになってから、GPUが非常に高速になったという噂を聞いていました。


まずは試しに、とおもってTensorflowを用いた姿勢推定を行ってみました。

体感が変わるくらい、めちゃめちゃ速い。15 fps以上出ていました。

CPUのみを使った以前のMacBookでは0.1 fpsだったので、優に100倍以上出ています。

すごい。感動しています。


シャットダウンした時の終了処理も笑えるくらい速い。



これまで計算能力で諦めていたいくつかの研究を再開して着実に進めていきます。




2021年9月26日

20210926落語鑑賞日記

本学では,先週末から秋学期が始まりました.

春学期に比べて,授業数が少ないので,いくぶん楽になりそうです.


秋学期のオンライン授業で使うMoodleの設定をしながら,落語を聞いていました.

柳家喬太郎師の,健保落語.スポンサーの伝えたいメッセージがある落語のようです.

本編に加えてメイキング+インタビューの映像もありました.


若い世代の落語の捉え方について,述べた言葉が印象に残りました.

喬太郎さんの若い頃は,世相として浮かれていた時代でもあり,落語と聞くと「うわっ!だせぇ」と若者が口にしたそうです.

一方現在は,「落語?なにそれ,おもしろいの?」に変化したとのこと.これはつまり,ダサいとかどうかとかそういうことさえ判断しないくらい,落語を知らないということを意味しています.

だから逆説的に,なんの先入観もなしに表現そのものを体験できるということを喬太郎さんは述べていました.

これはたしかに,と納得できる話です.時代が変わったことを強く感じました.

これから落語はまた発展しそうです.生身の人間が一人で表現できる最大のものを現出させるという意味で落語は身体表現の原点だと改めて思いました.


2021年9月7日

20210907論文読み日記

 2021年8月19日付で,Nature Communicationsに下記の論文が掲載されました.

Moritz, S., Gottschick, C., Horn, J., Popp, M., Langer, S., Klee, B., ... & Mikolajczyk, R. (2021). The risk of indoor sports and culture events for the transmission of COVID-19. Nature Communications, 12(1), 1-9.

この論文は,2020年8月に実験的に行われたポップスの着席コンサートのデータを基にしています.

この実験では,首にかけるセンサーにより参加者間の接触情報(コンタクトデータ)を次の3つの条件で取得しています.

一つ目の条件は,衛生対策を取らなかった場合.二つ目の条件は,参加者の座席の前後左右を空席にして,入り口を2倍に増やした場合,三つ目の条件は,実験参加者(観客)の座席の間隔を1.5mとして入り口を4倍に増やした場合.

屋内でのエアロゾルの移動について,空気交換率をパラメータとして持つ数理モデルを構築し,上記の条件により感染パターンがどのように異なるかをシミュレーションしています.


結果を簡単に要約すると,空気交換率が高く,かつ,1.5mの間隔を取る最も厳しい条件では,感染のリスクが日常生活でのリスクと変わりないくらい低くなりました.

著者らは,これらの条件が満たされれば,屋内の着席コンサートが広域の感染に寄与するリスクは十分低いと考察しています.なお,席の移動を伴うライブ等については,あてはまらない場合があることに注意すべきだということも述べています.


変異株の影響もあり,これを今日にそのまま一般化することはできないかもしれません.しかし,データを取った検証が,どのような行動なら十分リスクを下げられるかについて根拠を与えるのだという意味で,勇気を与えてくれる研究だと感じました.


2021年7月31日

20210731スケール解析日記

 ふと手にした本に,テイラーが行ったスケール解析の話が載っていた.

システムの詳細が不明であっても,観察された情報(この例では,写真)に残された概要がわかれば,かなり多くの事柄を推定できるというものだ.

それは,当該のシステムの挙動が少数のパラメータで決まっているという事前情報があるからなのだが,それにしても有益な発想法だと思う.


私が最近取り組んでいる分析手法には,そのままではスケールの情報が失われてしまうという課題があった.

最近考えたのは,スケールを示す一つの指標だけ測定しておくというもの.そうすることで,分析によってスケール情報が失われてしまうけれども,同時に測っておいた指標の値を使って較正できるということ.

例えば笑い声の大きさを基準にすれば,相対的な振幅を絶対的なスケールに位置づけることができる.


そんなことを考えている折だったので,本を読んだときに,やはりそうだなと確信を持てた.まずやってみる.



2021年6月24日

20210624VR寄席・完成日記

VR空間に再現された落語会で落語を体験できるシステムが完成しました!

VRを使った不安症の改善などを行っている魔法アプリ様との共同開発です.

 2021年6月23日,早稲田大学西早稲田キャンパス内で古今亭文菊師匠に口演していただきました.

すでにシステムは開発していましたので,映像を撮影した翌日24日に完成となりました.


映像を講座のCGと合成して,VRとして体験できます.試聴中,周囲を見回すと他のお客さんがいたりして,本格的です.

今後,これを使って実験も進めていきます!

Superposed Recurrence Plotの紹介

映像や舞台表現の訴求力を数値化する夢の技術とは!? 共通入力のダイナミクスを複数の観客の振る舞いに残された痕跡から復元する この文章についての問い合わせは こちら↗︎ ■理論的背景  私たちが実験や観察で得られるのは,高々1変数の時系列データであることが多い.だが,力学系から出力...