2021年4月30日

20210430寄席休業前日日記

新型コロナウィルス感染症の影響により、三度目の緊急事態宣言が発出されました。期間は2021年4月25日から5月11日までの予定です。

これを受けて4月24日には、東京にある鈴本演芸場、新宿末廣亭、浅草演芸ホール、池袋演芸場は、落語協会、落語芸術協会と協議のうえ、観客を入れての公演を続けると発表しました。

これは当初の要請が「無観客開催(社会生活の維持に必要なものを除く)」とあったことを踏まえたものです。寄席の立場としては、寄席が大衆娯楽と伝統芸能の場であることに加えて、芸人の修業の場でもあることから「社会生活に必要なもの」と判断したということです。

その後、都から正式に休業要請がなされたことを受けて、2021年5月1日から全席で休業となる旨の報道がありました。


無観客開催という不可解な要請に対して色々と思いもあったことでしょう。またこの報道を聞いて様々な解釈はあるかと思いますが、「社会生活に必要なもの」とは何か、を問いかけた動きとして私自身は受け止めました。

2020年3月11日のドイツのモニカ・グリュッタース文化相から、「アーティストは必要不可欠であるだけでなく、生命維持に必要なのだ」という声明があったというのも思い出されます。

文化として継承されている伝統芸能は、一度無くなれば再び同じ形で興すことは難しいですし、また、同程度の技術にまで至るのには何十年もかかるものです。もし、空白期間が十数年単位で長期化した場合、大変な影響が予想されます。

いま舞台表現がこの数年の間どのような形を取るべきかという直近の問題と同時に、ライブ・パフォーマンスとは人間にとってどんな意味があるのかという根源的な問題についても考える時に来たと思っています。

ヒトという種のことを考えれば生理学的・生物学的な切り口だけで議論は事足りるのかもしれませんが、人間として考えれば社会・文化的な側面も考えなければなりません。そうした多層的な意味のあいだに生きる人間の、いわば生命現象としての芸術という観点を持つ必要があるだろうと思っています。



2021年4月3日

20210403著作から入試問題に日記

 集英社から2019年に刊行した私の著書「プログラミング思考のレッスン 「私」を有能な演算装置にする」の一部が入試問題として使われたそうです。

秋田の県立高校入学選抜試験ということで、秋田県教育委員会長名で、丁寧なお便りをいただきました。

念のため、解いてみるのですが、さすがに高校入試の問題は回答できました。


今回問題として選ばれたのも、いま、プログラミングに対する関心が高まっているのも一つの要因かもしれません。

入試問題になるのは、気恥ずかしさもありますが、晴れがましい気持ちになりました。





2021年4月2日

20210402科研費採択日記

 例年、4月1日は、前年度に申請していた科研費の採否が発表される日です。

わたくしが申請していた基盤研究(C)は、採択されました。めでたい。そしてありがたい。

『観客の集合行動を引き起こす共通入力の再構成』という内容で今後、4年間研究を進めていきます。

いま、昨今の状況で劇場はかなり厳しい状況にあります。だからこそいま改めてライブの力を研究する時であると考えています。

また、ライブ・パフォーマンスの科学の黎明期と位置づけています。英文誌にもいくつか論文を出せるように頑張ります。


同日開催!2024年5月27日(月) 早稲田大学落語入門 & 第五回実験寄席【実験参加で入場無料!】

落語を鑑賞しているときに,人間はどのような反応をしているのか? その解明のために,生理指標や表情を計測しながら落語を鑑賞する実験を行います。参加者には通常通り落語を楽しんでいただきます。 (1)研究内容と実験方法の説明を受け,計測機器を装着します(15分) (2)2名の噺家による...