2022年8月5日

20220722Physical Review E採択日記

物理学系の専門誌として有名なPhysical Review Eに,論文の掲載が決まりました!

これは,東京理科大学で博士後期課程を通して行っていた仕事です.自分の中でもとても重要な位置づけの内容なので,掲載が決まって,非常に嬉しいです.

具体的な内容については,出版された時に改めて触れるとして,ここでは雑感を.


第一著者として物理系の雑誌に採択されるというのは,これまでに経験したことがありませんでした.

34歳で大学院に改めて進学することにしたのですが,その時には,このような日が来るとは全く想像できませんでした.


この雑誌の前に,いくつかの雑誌に投稿してはエディタキックをくらい,可能性があるのかわからなくなっていました.

結果として,雑誌のスコープとうまく合っているというのが重要だったということを示していると思います.

専門誌に受け付けてもらえたことは,外の世界にも認められたような気がして,自信になりました.

認知科学系への内容もにらみつつ,非線形界隈のことも息を長く続けていければと思っています.


実際,今回の論文の提案手法は,劇場認知科学にとっても有益です.

これまで何度も扱ってきた,観客の瞬目に対してもそのまま適用できます.

というか,こうした分野に適用できるように,手法を考えてきたというのがより正確です.


この話は,五代目小さんの「にらみ返し」を説明するというところから始まったのでした.

いま「セリフなき間に観客が充填する意味」に指数関数的に接近したようです.

心理学では,物理量と知覚する量に違いがある時,それを錯覚と言います.

物理量と体験する量に違いがある場合にも,名前が必要でしょう.



シンプルな実験をたくさんするのが良さそうだと思えてきました.

引き続き進めていきます.




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