英語を使った授業に関する研修でシアトルに来ています.
2週間の研修も終盤に差し掛かり,気が付けば残りあと3日ほど.
ワシントン大学周辺の地理には少し詳しくなりました.
ホテル暮らしで基本的には快適なのですが,それでも物価高だったり,治安の面でも気になることがあって,日本がいかに暮らしやすかったのかを改めて実感しました.
英語を使った授業に関する研修でシアトルに来ています.
2週間の研修も終盤に差し掛かり,気が付けば残りあと3日ほど.
ワシントン大学周辺の地理には少し詳しくなりました.
ホテル暮らしで基本的には快適なのですが,それでも物価高だったり,治安の面でも気になることがあって,日本がいかに暮らしやすかったのかを改めて実感しました.
昼から別のキャンパスでの打ち合わせに参加するために移動中.
時間調整のために入ったカフェで,どんどん後の人の注文が出されていく.
私はアイスコーヒーだけなのに,なかなか出てこなかった.
よくみたら,会計をした後でトレイをテーブルに置かれる順番がばらばら.
私のトレイはレーンの最後に置かれていて,何度もスルーされていました.かなしい.
First In First Outの方式になっていないのは,順番で並んでいる場合にはやはり気になる.
昨今の状況に関しても色々と変化があって,来年の学会発表は,海外にも行けそうだ.
どの学会に行くか検討中.どの分野もオンサイトの予定が増えてきた.
非線形関係で7月にカナリア諸島か,あるいは,認知科学関係で7月にシドニーか.
先日も少し言及した,下記の論文が2022年9月12日に無事掲載されました.
Nomura, R., Fujiwara, K., & Ikeguchi, T. (2022). Superposed recurrence plots for reconstructing a common input applied to neurons. Physical Review E, 106:034205.
URL: https://link.aps.org/doi/10.1103/PhysRevE.106.034205
DOI: 10.1103/PhysRevE.106.034205
観察者にとって未知の共通入力を,互いに独立した神経細胞(ニューロン)群に印加し,その出力の情報のみを用いて,共通入力の振幅を再構成するというものです.
Izhikevichニューロンモデルのパラメータを変えることで実現したChattering,Regular Spiking,Fast Spikingニューロンを用いて検討したところ,いずれも誤差が10%未満の比較的高い精度で共通入力を再構成できることを確認できました.
また,カオス応答を示すニューロンを用いた場合にも,再構成の精度は低下するものの,ピークの位置は正確に再構成が可能であることを示しました.
この研究の意義については,こちらの英文記事でわかりやすく紹介されています.ぜひご覧ください.
2018年ごろに開始し,基礎的な内容の積み重ねでここまで到達することができました.それが物理学の有力誌に掲載されたのは,本当に嬉しく思います.
また,この再構成手法は,システムの詳細ではなく出力の情報のみを用いているため,さまざまな非線形システムに適用できると考えられます.
噺家の熟達化の研究にもどんどん使っていきます.
物理学系の専門誌として有名なPhysical Review Eに,論文の掲載が決まりました!
これは,東京理科大学で博士後期課程を通して行っていた仕事です.自分の中でもとても重要な位置づけの内容なので,掲載が決まって,非常に嬉しいです.
具体的な内容については,出版された時に改めて触れるとして,ここでは雑感を.
第一著者として物理系の雑誌に採択されるというのは,これまでに経験したことがありませんでした.
34歳で大学院に改めて進学することにしたのですが,その時には,このような日が来るとは全く想像できませんでした.
この雑誌の前に,いくつかの雑誌に投稿してはエディタキックをくらい,可能性があるのかわからなくなっていました.
結果として,雑誌のスコープとうまく合っているというのが重要だったということを示していると思います.
専門誌に受け付けてもらえたことは,外の世界にも認められたような気がして,自信になりました.
認知科学系への内容もにらみつつ,非線形界隈のことも息を長く続けていければと思っています.
実際,今回の論文の提案手法は,劇場認知科学にとっても有益です.
これまで何度も扱ってきた,観客の瞬目に対してもそのまま適用できます.
というか,こうした分野に適用できるように,手法を考えてきたというのがより正確です.
この話は,五代目小さんの「にらみ返し」を説明するというところから始まったのでした.
いま「セリフなき間に観客が充填する意味」に指数関数的に接近したようです.
心理学では,物理量と知覚する量に違いがある時,それを錯覚と言います.
物理量と体験する量に違いがある場合にも,名前が必要でしょう.
シンプルな実験をたくさんするのが良さそうだと思えてきました.
引き続き進めていきます.
さきほど,修正に時間がかかっていた論文を再投稿しました.
春学期はかなりタイトなスケジュールで,まとまった時間がとれないなか,なんとか再投稿まで漕ぎ着けました.
ここ数年のまとめとなる仕事なので,採択までなんとか進みたいところです.
いくつかの具体的な場面に適用できる理論的枠組みを提供するものですので,ライブ・パフォーマンスの科学に新たな切り口が加わると考えています.
それから,最近の話題をいくつか.
大学院のゼミでは,以下の本を読み始めました.
Reason, M., Conner, L., Johanson, K., & Walmsley, B. (Eds.). (2022). Routledge Companion to Audiences and the Performing Arts. Routledge.
2022年4月に発売になったもので,かなり関心が近いことがわかりました.
意外なことに観客について注目した研究はそれほど多くないのですが,これは現時点での研究をおおむねカバーしていると思われます.
また,最近読んで面白かった論文
Mori, F., & Kori, H. (2022). Noninvasive inference methods for interaction and noise intensities of coupled oscillators using only spike time data. Proceedings of the National Academy of Sciences, 119(6), e2113620119.
蔵本モデルなどを念頭に置き,神経発火などの点過程のデータのみから,その背景にあるシステムの結合強度を推定する方法の提案です.
出力がすでにある程度まで同期が成立している状態を前提にしているものの,内部状態値に触れることなく推定するというのがポイントです.
この数理的な方法を非侵襲という枠組みで説明したのは非常に巧みだと思いました.
私たちの研究室では新しい研究プロジェクトを立ち上げました.
ここに「オンライン超個体」という構想を初めて公に述べます.
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新型コロナウィルス感染症の世界的流行により,エンターテイメント,ビジネス,教育など,多様なジャンルでオンライン配信が急増している.その一方で,ライブ・パフォーマンスで感じられる演者や他の観客と時空間を共有しているという認識を伴う快の感覚としてのライブ感は,オンライン配信では大幅に損なわれることが問題となっている.既存技術では,視聴者がリアクションを示すために感想を入力する必要があり,鑑賞が阻害され,オンラインイベントにおける十全なライブ感の創出は未解決の課題として残されている.
本プロジェクトでは,新たなアプローチからオンラインイベントでのライブ感の創出を行う.そのためにまず,視聴者の群行動に集団としての特性が創発し,決定論的な規則性が生じている状態を「オンライン超個体」と定義し,その挙動の予測と制御を目指す.すなわち,ここでのオンライン超個体とは,オンラインイベントの多数の視聴者が,演者からの入力および視聴者間の相互作用を通して,1個の生物体であるかのように振る舞うようになった人間集団である.
多数の視聴者がそれぞれ自由に振る舞う場合には,視聴者群は個人特性の集積として確率・統計的に特徴づけられるため,制御することは容易ではない.それに対してオンライン超個体は,集団レベルの特性により特徴付けられ,かつ,その行動には決定論的な規則性がある.それゆえ,数理モデルによりその挙動を記述することができれば,視聴者が示す群行動の予測や制御が可能になると期待される.本プロジェクトでは,種々の方法でオンライン超個体を創出することで,他の視聴者の存在を感じる新たなライブ感を生み出す.
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「オンライン超個体」の測定,予測,制御については,具体的なアイデアがありますので,これからどんどん進めていきます.
以前から外注していた視線分析用のプログラムが完成しました.
このほど,納品されるということです.
この解析手法は,先行研究で使われていて,かなり使えそうなものです.
アルゴリズムはシンプルですが,構造がやや複雑で自分で実装するには手間がかかりすぎるものでした.
年度内に完成して本当に嬉しい.
これで,次期4年生や3年生で,視線計測を行う場合に分析の幅が広がります.
野村研究室で使っている手法と併せて,視線データを用いた映像作品への反応を取り扱った研究基盤を着実に固めていきます!
研究対象に新奇性が高いことが多いので,分析手法はできるだけ手堅く進める,というのを最近は意識して進めています.
劇場認知科学という分野を少しずつ固めていくために,知見を積み重ねていきます.
映像や舞台表現の訴求力を数値化する夢の技術とは!? 共通入力のダイナミクスを複数の観客の振る舞いに残された痕跡から復元する この文章についての問い合わせは こちら↗︎ ■理論的背景 私たちが実験や観察で得られるのは,高々1変数の時系列データであることが多い.だが,力学系から出力...