私たちの研究室では新しい研究プロジェクトを立ち上げました.
ここに「オンライン超個体」という構想を初めて公に述べます.
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新型コロナウィルス感染症の世界的流行により,エンターテイメント,ビジネス,教育など,多様なジャンルでオンライン配信が急増している.その一方で,ライブ・パフォーマンスで感じられる演者や他の観客と時空間を共有しているという認識を伴う快の感覚としてのライブ感は,オンライン配信では大幅に損なわれることが問題となっている.既存技術では,視聴者がリアクションを示すために感想を入力する必要があり,鑑賞が阻害され,オンラインイベントにおける十全なライブ感の創出は未解決の課題として残されている.
本プロジェクトでは,新たなアプローチからオンラインイベントでのライブ感の創出を行う.そのためにまず,視聴者の群行動に集団としての特性が創発し,決定論的な規則性が生じている状態を「オンライン超個体」と定義し,その挙動の予測と制御を目指す.すなわち,ここでのオンライン超個体とは,オンラインイベントの多数の視聴者が,演者からの入力および視聴者間の相互作用を通して,1個の生物体であるかのように振る舞うようになった人間集団である.
多数の視聴者がそれぞれ自由に振る舞う場合には,視聴者群は個人特性の集積として確率・統計的に特徴づけられるため,制御することは容易ではない.それに対してオンライン超個体は,集団レベルの特性により特徴付けられ,かつ,その行動には決定論的な規則性がある.それゆえ,数理モデルによりその挙動を記述することができれば,視聴者が示す群行動の予測や制御が可能になると期待される.本プロジェクトでは,種々の方法でオンライン超個体を創出することで,他の視聴者の存在を感じる新たなライブ感を生み出す.
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「オンライン超個体」の測定,予測,制御については,具体的なアイデアがありますので,これからどんどん進めていきます.
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